かもさんのひそひそ話

耳をすませば聞こえてくるよ

意外に楽しい選挙戦

私の住む町で、もうすぐ選挙があります。選挙前には各候補者の主張を載せた広報が届きます。これを読むのがいつも楽しみで、今回も待ち遠しく思っています。

 

それぞれ身銭を切って立候補しているだけあって、町をこうしたいという強い思いが紙面から伝わってくる人が多いです。特に地方選挙だと、候補者の示してくれる課題が身近なところにあるので、うなずきつつ読むことになります。自分とは全く違った意見を持っている人も時にはいて、それはそれで、こういう考え方もあるのかと参考になります。意見を声高に言うことから遠くなった世の中で、リアルな実体をもって意見を示す人の姿を見ると、なんだか嬉しくなります。書いていて気づきましたが、私は政治家という人たちが結構好きなのかもしれません。

 

選挙公報を読んでいて特に面白いと思うのが、ちょっと変わった意見を持っている立候補者のページです。大半の候補者が税金や暮らし、教育のことを整った紙面で語る傍らで、「無農薬農業の保護」「日本古来の文化への愛」はては「反ワクチン」まで、ピンポイントに尖った内容を熱く語る候補者が時に現れるのです。また、何度読んでも何を訴えたいのかわからない候補者もたまにいます。そんな人たちの作るオリジナリティあふれる紙面が、実はたまらなく好きなのです。

 

普段の生活ではあまり巡り合わない激しい主張がお行儀のよい政策と一緒に並んでいると、なんだかほっとします。そういった立候補者たちの主張と自分の意見とはまったくすりあわないことも多いですが、それでも彼らがある程度の票を集めていると嬉しくなるのです。正しそうなことばかりで世界が成り立っているわけじゃないと実感できるからです。むろん、彼らが大勢を占めることがないと分かっているからそう思えるわけで、そう考える自分が少し傲慢ではあるのですが。

 

今回の選挙の投票率も、これまでと同様に低い水準だと予想されています。意外と楽しいものなのにな、と少しもったいなく思います。

 

 

今週のお題「変わった」