かもさんのひそひそ話

耳をすませば聞こえてくるよ

怖い夢にもらった勇気

明け方にとても怖い夢を見ました。

 

私は実験をしていて、その向かいで後輩も実験をしています。後輩が使おうとしている実験機器は、不適切な扱いをするとある一定の確率で大事故を起こします。彼がまさしくその不適切な使い方をしようとしていて、すんでのところでそれを止めました。そして正しい使い方を教えようとするものの必要な治具がどこをさがしても見つからず、機器にかけるタイミングを逃したせいで後輩の実験は失敗しつつあり、後輩に迷惑をかけていることにおびえます。ようやく治具を見つけた時にはもう深夜で、家に帰るための終電に間に合おうと必死に走って駅に向かいます。

 

内容だけを見ると何が怖いの、と思われるかもしれません。実際に自分でもそう思います。怖かったのは、休職寸前に自分が仕事に抱いていた、自分がちゃんとしないとひどいことが起きる、でもちゃんとしようとすると人に迷惑が掛かる、というイメージが強く再現されていたからです。そして、毎日深夜残業で終電ぎりぎりで自宅に帰り早朝から出社していた頃に感じていた体の違和感が、その当時のままの感覚でありありと感じ取れたからです。

 

体じゅうの皮膚が数㎝くらいの厚さになったように触覚がぼんやりと鈍くなり、顔の表面はずっとしびれていて表情をうまく作ることができず、頭の奥が絞られるように痛くて、伝えたいことは明確にあるのにそれに対応する言葉がどうしても見つからない、そんな感覚で日々を過ごしていました。あの頃はそれが普通になっていておかしいと思っていませんでしたが、今思うと明らかに異常だったと感じます。ずっとこの感覚を忘れていましたが、今日の夢でそれを思い出しました。目が覚めた時には激しく動悸がしていました。

 

それが夢だったと理解したあとも、あの当時の感覚が怖くて、そして復職してそこに戻っていこうとしていることが怖くてなかなか寝付けませんでした。

 

ただ、その悶々とした時間のなかでふと、そんなになるまでやらなくていいという考えが自分の中に出てきたのです。そうなる前に自分で自分を守れるよ、守ってやるよという思いが自然に自分の中に見つかったのです。これはとても驚く経験でした。そしてその思いに気づくと、とても安心してまた眠りにつくことができました。

 

仕事が辛いとは思っていないつもりだったけれど、今思うと当時の状況はやっぱり辛かったんですね。それに気づけたことは大きな進歩だったし、それに対応できるかもしれないという(根拠のない)自信を感じられたことは、今後の職業人生を考える上でとてもよかったと思います。夢の中のことなどすぐに忘れてしまいそうなので、ここにメモしておきました。

 

今週のお題「メモ」