かもさんのひそひそ話

耳をすませば聞こえてくるよ

仕事を愛するということ

仕事をする上で大事にしているのは、仕事を愛することです。もちろん技術的なことは重要で、それはそもそも持っている(あるいは磨き続けていく)ことが前提です。でも、それができるのも、仕事に対して愛情があるからです。

 

愛する、という情緒的な言葉でなく具体的に置き換えてみます。たとえば、お客さんが話す言葉や雰囲気から現状の不満や求めている仕様を察すること、研究開発で使っている機器をまめにメンテナンスして不具合を未然に防ぐこと、データが語る現象を見落とさずに新しい発見につなげること、業務を円滑に心地よく進めるために環境をととのえること、などです。対象に没入して、よりよきあるべき姿に近づけていく、そういったモチベーションを支える感情が、愛しているということだと思います。

 

仕事をしているなかで光が当たる部分、評価される部分は全体のごくわずかで、ほかの大半の事柄は泥臭くて他人の目には見えません。そういった事柄に対して義務感を越えて前向きに取り組むためには、仕事そのものが好き、愛しているという状態が必要だと思うのです。

 

幸いにも、自分自身のこれまでの職ではずっと、仕事を愛して打ち込むことができました。始めたときはとくに印象がなかったテーマでも、その背景を知って課題を洗い出し、相手方(人であっても機械であっても)と対話を重ねていくうちに徐々に愛着を持てるようになりました。愛するとは結局、その対象を理解すること、良く知り合うということなのだと思います。これがいい循環を生み、対外的な成果も出すことができました。

 

いっぽうで、いくら社会的なニーズが予想されて脚光をあびていたとしても、自分の主義からして愛せない、と感じるテーマも中にはありました。そういったテーマは、理由を説明し担当を外してもらうことができました。

 

仕事を選ぶことは、組織からすると我儘になってしまうこともあります。テーマを変えてもらうことでより成果を出せる、と相手に信じてもらうためには、それを期待させるだけの能力が自分自身に必要になります。いちどテーマを変えたときにはたまたま、自分が持っていた技術が、その期待を得るのに役に立ちました。技術やこれまでの仕事に対する信頼感が自分を助けてくれる、と感じた瞬間でした。

 

100%の仕事人間になるつもりはありませんが、今後も仕事と相思相愛の関係を続けていきたいです。だから、相手を理解し選んでいくために知識をつけ、能力や技術を磨き続けたいと思っています。

 

書く習慣1か月チャレンジ、今日は「仕事や勉強で一番大切だとおもうこと」がテーマでした。仕事が好きだから自分を高めたいと思うのか、能力や技術があるから仕事を好きになるのか、卵と鶏みたいですが、このループに入ることができて良かったです。