かもさんのひそひそ話

耳をすませば聞こえてくるよ

本『君たちはどう生きるか』

*この文章は、タイトルの本と、同名の映画に関する内容を含みます。 同タイトルの映画が良かったので、書籍の方の『君たちはどう生きるか』にも興味が沸きました。少し前に話題になっていた時は斜に構えて手に取りもしなかったのに、現金なものです。映画の…

文章の中の孤独、そこから得る力

室生犀星の随筆を読んでいると、彼と親交のあった萩原朔太郎の話題がたびたび出てきます。同時代を生きた2人が嫉妬のような黒い感情にとらわれずに親愛を交わしている様子が感じられて、ほっとします。2人とも孤独を背景として作品を作りながらも、それとの…

読まれる本に出会う楽しみ

本がたくさんある空間が好きです。本屋でも図書館でも、何かの資料庫のような場所でも構いません。読まれるのをじっと待っている文字たちの、その気配が積み重なっているところが好きなのです。どんなに賑やかな場所でも、本に囲まれているととても静かな気…

復職後の瞬発力と持久力

休職してしばらくたったころに知人に勧められたのが、森下克也さんの「もしかして、適応障害?」という本でした。不調が身体に出るか精神に出るかの違いはあったにせよ、過労が原因で休職に至った私にとってはとても身につまされる内容でした。 休職する直前…

壁を抜けて外の世界に出ること

**この文章には、村上春樹の「街とその不確かな壁」についての記載があります。未読の方はご注意ください** 小学生からの読書歴のなかで、ずっと好きなままでいる稀有な作家が村上春樹です(呼び捨てが気まずいので、以降は村上さんとします)。経済的に…

いつもそばに置いて読み返してしまう本

小学生のころから折に触れて読み返す本があります。村上春樹の「ノルウェイの森」です。住んでいた町の図書館で偶然目にとまったのが、読み始めたきっかけでした。 主な内容は東京に住んでいる大学生の恋愛模様で、地方のぼんやりとした小学生にはそういった…