かもさんのひそひそ話

耳をすませば聞こえてくるよ

2週間ぶりの晴れ間

2日間の曇り空のあと、ついに山全体の姿が見えました。こんなに晴れたのは2週間ぶりだそうで、観光客よりも地元の方のほうが喜んでいました。たしかにそんなに天気が悪いと、漁業関係者の多い島では影響が大きそうです。ウニも不漁で、例年の3から4倍の値段がついているようです。

 

利尻島は山を中心にして道路が海岸沿いをぐるりと一周していて、どの場所からも違った表情の山が見えます。打ち寄せる波や広い草原の向こうに立つ山を見ていると、昔の人が山に神の姿を重ねていたことにもうなづけます。時に荒々しく、時に優しく恵みを与える存在として、昔も今もあり続けているのだと思います。
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海から吹き寄せる風は強く、帽子型のヘルメットをかぶって原付を走らせているとメガネが飛ばされそうになります。吹く風はいつも向かい風で、耳元でずっと風の音が鳴り続けます。そのせいか海岸沿いに背の高い植物はほとんど見えず、どこまでも見通しがきいて地の果てまで走って行けそうです。道を走る車もほとんどなく、誰にも聞こえないのをいいことに、松山千春の『大空と大地の中で』をつい熱唱してしまいます。この風はロシアから吹いているのか、ついすぐそこにはサハリンが見えるはずだ、などと考えていると、国境という概念が自分の中で段々と薄らいでいきます。

 

夕日が沈めば今日の活動は終わりです。明日もいい天気になりますように。

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