かもさんのひそひそ話

耳をすませば聞こえてくるよ

眠れない夜に

さいころから眠れない子供でした。寝つきがわるく、寝ても浅い眠りが多くて、怖い夢を見て飛び起きては天井の模様におびえて布団に隠れる毎日でした。夢を見るのが怖くて眠ることが嫌だった夜もあります。

 

どうしても眠れないときは両親のもとに行き、眠れないと訴えてみたものです。いつも答えは同じで、「楽しいことでも考えていたら寝られる」の一択でした。単純ではありましたが、確かに楽しいことを考えていたらいつもより寝つきやすかった気がします。楽しいことのストックはそんなに現実にはないので、その時々で読んでいた本のストーリーを反芻したり、続きを考えたりしていました。ただ今思うと、何を考えているかよりも、誰かに眠れない気持ちを訴えてすっきりとしたことの方が聞いていたのかもしれません。

 

大人になってからも、眠りはいつも私のウイークポイントでした。睡眠環境を整えて寝具や枕に凝ってみると、確かに睡眠の質は上がった気がします。ただ、仕事を始めてからは翌日に早い時間に起きなければいけないというプレッシャーが強くて、平日の夜はどうしてもぐっすりと寝ることができませんでした。頼みの綱だった「楽しいことを考える」も、現実の重さに押しつぶされてうまくいかないことが増えていきました。

 

そんな中で編み出したのが、「寝なくてもいい」「目をつぶっているだけでいい」と自分に言い聞かせることです。眠れないときに寝なければという気持ちが出てくると、焦りで余計寝付けなくなります。なので、寝なくてもいいと開き直るのです。そしてどうやら、目をつぶって視覚情報を遮るだけでも休息になるそうなのです。寝ているときの約7割くらいの休息レベルらしいですが、それでもないよりましと考えれば気は楽になります。

 

眠れないときに目をつぶっていると、不安や悪い考えが頭をよぎって離れなくなることもあります。ドラマに出てくるような小姑が自分の中にいて、自分の弱点をえぐってくるのです。そんな時には、「不完全な部分を見つけてくれてありがとう」「そういう考えもあると教えてくれてありがとう」「明日起きてから考えるよ」と、ひとまず小姑に感謝の気持ちを伝えてご退場いただくことにしています。うまくいく時ばかりではありませんが、この方法を見つけてからはずいぶんと楽になった気がします。それに朝になってみると、夜中にはあんなに深刻だった不安感が薄れていることも往々にしてあるのです。

 

眠れないときの生活パターンを振り返ると、頭の疲れと体の疲れのバランスが取れていない(特に頭だけ使って体が動いていない)ことも多い気がします。今は意識的に体を動かす時間をとれていますが、復職して運動時間が取りづらくなった後も、できるだけ習慣的に体を疲れさせることを続けたいと思います。

 

お題「なんだか眠れない・・・でも寝酒はしたくない。スッと寝付ける方法ないでしょうか?」