かもさんのひそひそ話

耳をすませば聞こえてくるよ

水道管凍結の思い出

この冬一番の強い寒波が来た夜、雪は降りませんでしたが風の音がずっと続いていました。朝になって窓を開けると、外は特に何の変化もなくすっきりと晴れたいい天気になっていました。雪景色を少し期待していたので、肩透かしをくらった気になりました。

 

昨夜のニュースでは、水道管破裂に注意という呼びかけが繰り返されていました。それを聞いて、学生時代に住んでいた北国のアパートを思い出しました。

 

まったくお金のない大学生だったので、学部時代は家賃9000円くらい(暖房費、各種光熱費込み)の学生寮に住んでいました。大学院進学を機にその寮を出ることになり、家賃1万円台で大学に近いという条件で選んだ、家賃18000円のアパートに住むことにしました。白い壁で出窓付きのぱっと見おしゃれな物件でしたが、安いなりの理由があることを冬になって痛感しました。

 

北国なのに断熱性が低く、暖房をつけていても寒いので、部屋にいるときは常にスキーウェアを着て過ごしました。暖房を切って寝ると(当然スキーウェアは着たままです)、目覚めたときに顔が異常に冷たく口元の毛布が結露でびしょびしょ、なんてこともざらにありました。室内のシンクの水滴が凍っていた時はちょっと笑ってしまいました。部屋の気温が低いせいで、野菜はいつまでも新鮮なままでした。でもこんなことはたいして問題ではありませんでした。

 

なにより困ったのが、水道管の凍結でした。寝る前の水抜きは常に心掛けていたのですが、ある日テレビで映画番組を見ている間に水道管が凍結しました。水道の蛇口をひねっても何も出ない、ということに気づき、水道管が凍ったことを受け入れるまでに少し時間がかかりました。トイレは水洗タンクの水がなくなったら使えなくなり、その他の水道はひねっても何の応答もしてくれなくなりました。慌てて修理業者に連絡しても、同じ状況の人が大勢いて、凍結解除に向かうまでに数日かかるということ。たしかに、寒いのはみな同じだなと妙に冷静に受け取る自分がいました。

 

修理までの数日間をどうにかやり過ごし(研究室にほぼ泊まり込み)、ようやく業者対応してもらった時の請求額に目を見張り(確か数万円)、これからは起きている間は水を常に出しっぱなしにしようと決心した矢先に、数週間後の寒波でまた水道管が凍りました。何かの拍子に、うっかり水を止めてしまったのでした。

 

本当に自分にあきれる一方で、なぜこんなに水道管が凍結するのかと憤慨して大家さんに相談したところ、どうも階下の車庫の中をむき出しで配管が通っており、それが原因なのではという話になりました。配管の断熱工事をしてもらうのと、春が近づいて凍結の心配がなくなるのとが同時だったので、断熱の効果のほどはわかりませんでした。また、自分自身もまとまった収入のめどが立ったので、すこし暖かいアパートに移りました。

 

社会人になって安定した収入が得られるようになり、毎日水道の心配をしながら暮らすことがなくなって本当に良かったです。平穏な毎日に感謝したいと思いました。

 

書く習慣1か月チャレンジ、今日は「今日感謝したいと思ったこと」をテーマに書きました。思い返してみると、寒いアパートの大家さんは優しかったなぁとつくづく感じます。